Cooking of OLTUS食の話

#02
「食」を通じて
地域の活性化へ
Cooking of OLTUS

Cooking of OLTUS

FoodRing代表 板垣好恵

管理栄養士・上級食育アドバイザー・オリーブオイルソムリエ。OLTUSのメニュー、レシピ監修。

食は地方創生の大きな武器

地方の食文化はとても魅力的です。新鮮な食材が日常的に手に入り、その土地ならではの旬の食材で特産品や郷土料理を味わえる。都心に住んでいる人からするとそんな食生活に憧れを抱く方も多いかもしれませんね。

近年、「食」をツールとした地域活性化の取り組みが広がっています。
おいしい食にはたくさんの人が集まりますし、今は直接現地に行けなくても地域の特産品を通販で手軽に購入できる時代です。食の体験型イベントやご当地グルメフェスティバルなど、食のエンタメ化による活性化の取り組みも見られます。

地域がもっているさまざまな資源の中でも「食」は世界共通のコミュニケーションツールであることから、地方創生において大きな武器となっているのです。

食のブランド化による認知向上

食による地方創生の具体的な取り組みとして、食のブランド化があります。
例えば「農産物のネーミング+地域名をいれた商品」の販売もそのひとつです。
有名な市町村の名前を聞くと、特産品の名前がすぐ思いつくものありませんか? 神戸牛、佐賀牛、名古屋コーチン。淡路島玉ねぎ、九条ねぎ、夕張メロンなど。
地域名を記すことで農産物や特産品をブランド化し、認知度や信頼性の向上に成功しています。

食のブランドは商品だけでなく「地域自体のブランド化」もキーポイントです。

例えば北海道。国内でも有数の観光地である北海道は、北海道の食そのものが一大ブランドになっていますよね。小樽のお寿司屋さんや札幌のスープカレー、函館の朝市にはそれを目当てに国内外から多くの観光客が訪れます。

また、じゃがいものチップス、とうもろこしのおかきなど北海道産の食材で作られた人気のお菓子も多数ありますよね。東京の百貨店では定期的に北海道展が開かれ、それはもう人でごった返すほどの集客力。このように地域自体をブランド化することも、地域経済の活性化、地方創生において重要であるといえます。

地方で埋もれた食文化

日本全国には古くからその土地で食べられてきた郷土料理や伝統食、特産品などオリジナルの食文化が必ずあります。しかし、一部のポピュラーなものを除き、地元以外ではあまり知られていないものが多いのではないでしょうか。地域に根付いた食文化は、代々その中では伝えられていても、現地から離れた一般に見える形にはなかなかなりにくいものです。

地元の方にとってはその食文化は身近すぎるゆえ価値に気付いておらず、魅力的なものであっても外部へ伝わりにくい。少子高齢化による地域社会とのかかわりの希薄化や食のグローバル化も相まって、地方の伝統的な食文化がより埋もれやすくなっているように感じます。

食文化はその土地で積み重ねてきた歴史でもありますから、途絶えさせることのないよう、継承していくべきものです。食文化の継承は、地域そのものを守っていくこと。つまりは地方創生にも通じています。地域の食文化を見直すことで地域のよさを再発見し、愛着を感じ、地域コミュニティの再生にも貢献するでしょう。

地方における食産業の課題

私はこれまで管理栄養士として地方の中小食品メーカーの新商品開発やプロモーションに複数関わってきました。するとどのメーカーにも代々受け継がれた手造りの製法があり、その奥深さは感銘を受けるものばかりです。
こうして、作り手の想いやこだわりがつまった、地域に愛される昔ながらの味わい、おいしいものにたくさん出会ってきました。

一方、少子高齢化や人口減少などさまざまな要因から日本の食料総消費は年々減少しています。特に地方においては市場の縮小が顕著で、マーケット情報や販路の乏しさ、人手不足など課題も多いのが実情です。今ある良いものは残しつつ、時代に合わせた商品改良、新商品の開発が求められます。

単に地域の食材を使ったおいしいものを作れば売り上げに結び付くわけではありません。「売れるものづくり」にはさまざまな要素が必要です。市場の分析、商品コンセプトの構築、パッケージデザインやネーミング決め、販路の開拓、プロモーション戦略など。こういった専門知識をもつ人材の少なさも地方メーカーの課題であり、そこをサポートすべく自治体や民間が支援して商品開発を行うケースも増えています。

OLTUSと地方創生

ところが、このように第三者の介入で積極的に地方創生に取り組むことで一時的に盛り上がったとしても、残念ながら単発の取り組みに終わってしまうことも少なくないんです。継続した支援を行っていくのは簡単なことではないかもしれませんが、だからこそOLTUSは、商品を作り、販売して終わりではなく、消費者の手元に届くまでを併走するブランドでありたいと思っています。

地域に密着し、埋もれている価値を見付け、多くの人へ見える価値(商品やサービス)として発信する。
地元の人しか知らない特産品を発掘し、店頭でのプロモーションや、食卓へ落とし込む料理アイディアのご提案、動画コンテンツの作成など、さまざまな手法で価値を届けていきたい。そんな思いで取り組んでいます。
世界共通のコミュニケーションツールである「食」から地方創生を。OLTUSならではの新たな提案で、地域活性化のお役に立てればとてもうれしく思います。

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